「責任ある機関投資家」の諸原則
《日本版スチュワードシップ・コード》への対応について

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2016年8月

1.スチュワードシップ責任を果たすための方針(原則1)

当社は、投資先企業の中長期的な成長、それがもたらす当社運用成果の向上、ひいては保険契約者たるお客さま(以下、お客さま)の利益に資することを目的に、スチュワードシップ・コードを受入れるとともに、スチュワードシップ活動への取組みを推進してまいります。

(1) お客さまから投資先企業へと向かう投資資金の流れ(インベストメント・チェーン)における当社の位置づけ
当社は、お客さまからお預かりした保険料を元手に資産を保有し、運用する機関投資家であり、運用の一環として株式への投資を行っております。
(2) スチュワードシップ責任の考え方
投資先企業の企業価値の向上やその持続的成長を促すことにより、お客さまの中長期的な利益拡大を図る、という点に機関投資家としてのスチュワードシップ責任があると考えています。
(3) スチュワードシップ責任を果たす方法
議決権行使はスチュワードシップ責任を果たすための重要な役割を有していると認識していますが、これに限らず、投資先企業の状況を適切に把握し、当該企業と「建設的な目的を持った対話」を行う等、幅広い活動によって、スチュワードシップ責任を果たしていく考えです。
(4) 原則2・5に関する「方針」の開示
当社は、スチュワードシップ・コードの各原則を尊重することを基本方針とし、特に、原則2・5については、その考え方を以下に開示させていただきます。

(参考)【資産運用に関する考え方】

なお、当社の資産運用に関する考え方は以下の通りです。

  • ・お客さまへのお支払いに備えるため、長期・安定的な資産運用を基本方針としています。
  • ・株式投資に関しては、上記基本方針の下で、企業の収益性、安全性、成長性等を基準に投資判断を行い、投資先企業の企業価値向上を通じて中長期的に利益を得ることを目指しています。
2.利益相反管理に関する方針(原則2)
(1)

利益相反管理基本方針
当社では、お客さまの利益を第一に考え、利益相反を適切に管理するよう、従来より、取組んでいます。
すなわち、全般的な、利益相反管理に関する当社の方針として、「利益相反管理基本方針」を定め、当社のHP上に別途、公表しています。

利益相反管理基本方針

また、「利益相反管理基本方針」に基づき、社内規程を定め、保険業法をはじめとした関連法令等に則った利益相反管理を行っています。

(2) スチュワードシップ責任と利益相反管理
スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反としては、「投資先企業(かつ、当社の取引先)」に対する議決権行使に関し、当該投資先企業と「その他の当社のお客さま」との間で利益が相反するケース等を想定しています。
こうしたケースにおいても、適切に議決権を行使するよう、「議決権行使規程」を制定するなど、管理態勢を整備しています。
3.議決権行使と行使結果の公表に関する方針(原則5)
(1) 議決権行使の考え方
議決権行使を適切に行うことは、投資先企業の企業価値の向上を通じてお客さまの利益に資するものと考えており、加えて、機関投資家としての社会的責任を果たす上でも重要であると考えています。
このような考えの下、企業活動に関して適切な情報開示が行われているかどうかに留意した上で、株主が信任した経営者による判断を尊重しつつ、議決権行使を行います。
個々の議案について、投資先企業の経営状況を中長期的な視点を踏まえて確認し、必要に応じて投資先企業へのヒアリングを行うなどにより、判断しています。
(2)

議決権の行使に関する社内体制とプロセス
当社では、「議決権行使規程」を制定しています。
「議決権行使規程」に基づき、投資先企業で行われる株主総会の全議案について検討を行い、以下のような観点を中心に議決権行使の判断を行っています。
*取締役会の構成、取締役、監査役選任等の妥当性
*剰余金処分(配当金、役員報酬等)の妥当性
*財務戦略、事業内容の変更等の妥当性
*社会的責任に反していないか
*その他株主価値を減ずる内容等がないか など
全件、社内の決裁手続きを経た上で、議決権行使を行っています。

(3) 議決権の行使結果の公表に関する方針
「議決権行使規程」に照らし、妥当と判断される「議案」について「賛同」、問題があると判断される「議案」について「不賛同」とし、不賛同事例を公表いたします。
投資先企業との対話を重ねることにより会社提案に賛同できないケースは減少すると考えられること等から、集計数値の開示は行っておりませんが、不賛同事例を公表することにより、当社の議決権行使に関する考え方を明確にお伝えできると考えております。
4.当社のスチュワードシップ活動について
(1) 投資先企業との対話
投資先企業の企業価値向上に資するよう、事業環境、決算内容、経営・成長戦略、財務戦略、株主還元方針等をテーマに投資先企業との定期的な面談や株主総会の議案に係る意見交換の機会を利用し、建設的な対話を行っております。
なお、未公表の重要事実を受領した場合には、法令等に従い、速やかに必要な措置を講じることとしております。
(2)

議決権の行使結果
最近の1年間(平成27年7月〜平成28年6月)では、以下のような議案に対し、不賛同(株主提案の場合には賛同)といたしました。

  • ・社会的責任に反するような行為が明らかとなり、株主価値の毀損に繋がる恐れがあると判断した投資先企業の取締役・監査役選任に係る議案
  • ・連続赤字等、業績不振の投資先企業の取締役選任、剰余金処分、役員報酬額改定に係る議案
  • ・投資家の意思決定に有用であると判断した、役員報酬開示などディスクロージャー強化を求める株主提案

[日本版スチュワードシップ・コードの原則]

投資先企業の持続的成長を促し、顧客・受益者の中長期的な投資リターンの拡大を図るために、

  • 1.機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、これを公表すべきである。
  • 2.機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反について、明確な方針を策定し、これを公表すべきである。
  • 3.機関投資家は、投資先企業の持続的成長に向けてスチュワードシップ責任を適切に果たすため、当該企業の状況を的確に把握すべきである。
  • 4.機関投資家は、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を通じて、投資先企業と認識の共有を図るとともに、問題の改善に努めるべきである。
  • 5.機関投資家は、議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議決権行使の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資するものとなるよう工夫すべきである。
  • 6.機関投資家は、議決権の行使も含め、スチュワードシップ責任をどのように果たしているのかについて、原則として、顧客・受益者に対して定期的に報告を行うべきである。
  • 7.機関投資家は、投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解に基づき、当該企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備えるべきである。