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教育コラム

Vol.4

子どものキャリア教育 ~自尊心・向上心を育てる~

2014.02.07

子どもの将来を考えたとき、行かせたい学校はありますか。
「子どもが行きたいと思う学校に」「子どもの気持ちを優先したい」と思う方がほとんどではないかと思います。
そうはいうものの「あの学校に行ってほしいなぁ」という理想や希望を、親も持っているものですよね。

では、なぜその学校に行かせたいのでしょうか?
就職難を経験した世代では、「できるだけ就活に有利な有名どころへ」と考えることが多いのではないかと思います。しかし、いくら就活に有利なところに入ったとしても、社会へ出て活躍できることまでが保証されているわけではありません。
学歴と仕事における能力が比例するわけではないことは、実際に社会に出てみて実感することでしょう。年功序列、終身雇用が崩れて久しい昨今、「この道なら絶対安心」などという進路はなく、自分の道は自分で切り拓く「強さ」を身につけて、社会に出ていかなければならない時代と言ってもよいのではないでしょうか。

「何のために勉強するのかわからない」という子どもが多い

そんな時代に、小学校、中学校、高校、専門高校で始まったのが「キャリア教育」です。
現在、文部科学省指導のもと、各都道府県でさまざまな形でのキャリア教育の場が設けられています。学校の教科に組み込まれる場合もありますが、土日や夏休みを使って実施する取り組みもあります。小学生を対象にした、休日参加型の取り組みをいくつかあげてみましょう。

■ 京都・「京(みやこ)少年モノづくり倶楽部」
小中学生を対象に、年間を通じ、電子や木工、機械の組み立てや分解、プログラミング、伝統工芸技術などを体験できます。

■千葉・「夢チャレンジ体験スクール」
科学体験講座、先端技術体験キャンプ、マスコミや金融などでの就業体験など、都道府県の教育施設や産業施設の協力のもとで実施されています。

こうした動きが出てきた背景には、「働くことと学校教育との関係がわからず、何のために勉強するのか?と言う子どもが増えている」ということがあります。

親としては、「いくらでも可能性がある子どもに、小学生から就業体験なんて早すぎるのでは?」と思うかもしれませんが、キャリア教育の狙いは、単に「今から将来に就きたい職業を考えてみましょう」というものではなく、「将来どうなりたいか、どう生きたいか、といった目標を持つことで、学ぶ意欲を向上させる」という側面もあるのです。

それを裏付けるデータが、「なりたい職業を持っている子どもの方が学力が高い」という調査結果です(ベネッセ教育総合研究所調べによる「第2回子ども生活実態基本調査 [2009年] 」より)。キャリア教育で自分の夢が明確になれば、それについて調べたり、どうやったらその仕事に就けるのかをイメージするようになるので、知りたい、習いたい、という意欲が出てくるのです。

家庭におけるキャリア教育

キャリア教育への取り組みの中で「親としてサポートできること」は何でしょうか。

1つめは、家庭での会話です。
子どもが関心を持ったことに対し「これはどうやって作られているかわかる?」と子どもの好奇心をかきたてる話し方を心がけるなど、普段の生活の中で、子どもにクエスチョンを投げかけてみましょう。子どもが「なんで? どうなっているの?」と興味を示したら、「調べてごらん」と行動に結びつけてみてください。

2つめは、習い事です。
もし、「世界的なピアニストになりたい」という夢を持っている子どもがいたら、ピアノレッスンをさせることだけでなく、「世界で活躍するには、英語も話せるといいね。」と英会話に興味を持たせたり、「ベートーベンはピアノも弾けたけど、たくさんの曲も作っているね。」と、作曲にも目を向けさせるなど、ひとつの夢から、それに関連するさまざまな勉強に広げていくことができます。そんな風に「ふだんの会話の中で気づきを与える」ことが大切です。

3つめは、感動と共感です。
一流のものに触れられる機会を作り、親子で感動を分かち合うことです。
素晴らしい作品に出会った感動や、未知なる体験をしたときの驚きやワクワクとした心の動きは、「やってみたい!」という意欲の原動力になります。これは、親世代になっても変わらない心の動きです。そして共感は、安心感につながり、安心できる環境でこそ子どもの意欲はすくすくと育ちます。感動と共感を得られるさまざまな体験を親子で味わってみましょう。

キャリア教育の目的は、人生における判断力と実行力を養っていくことではないかと考えます。経験することで何を感じるか。それについてどんなことを思い、何を考えたのか。どのような判断をして、次の行動を起こしていくのか。そうした「生きる力」をつけるためのものだと言えるでしょう。子どもの「自分でやる」意欲を見守りつつも、いざとなったらサポートできるよう、ふだんから素直な気持ちを語り合える親子関係でいたいですね。

ライター(教育・ヘルスケア) 鈴木久子

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