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知れば納得!医療情報

花粉症

監修:順天堂大学 総合診療科 非常勤
エターナルクリニック 院長  小林 暁子

近年、花粉症に悩まされる人が増え、国民病といわれるまでになっています。日本で初めて花粉症が発見されたのは1961年のことですが、現在では発症していない予備軍も含めると、国民の6人に1人が花粉症にかかっていると言われています。花粉症の好発年齢は20〜30歳代ですが、近年の調査では子供にも花粉症が増えています。花粉症に悩まされる人は年々増加していますが、花粉症を悪化させないようにするためには、まず花粉との接触を避けるためのセルフケアと早期治療が重要です。

原因

花粉症の原因となる植物は50種類以上あげられていますが、花粉症の原因で最も多い花粉は2〜4月に症状がおこるスギ花粉です。花粉症はアレルギー症の一種であり、スギなどの植物の花粉が原因物質となって体内に入ることで抗体が作られ、発症します。今年の花粉の飛散量は夏の気象条件の影響から、過去の平均よりも少なくなりそうだ、という予測が発表されています。しかし、花粉症にかかっている人の多くは本格的な飛散が始まる前から目や鼻の症状を訴えるため、花粉の量が少なくても注意が必要です。また、アレルギー体質の傾向が強い人、食生活が乱れている人、都市的な生活をしている人は花粉症にかかりやすいと言われています。

セルフケア(日常生活での注意点)

1. 外出をするときは
マスク、眼鏡、帽子をかぶりましょう。
一般にスギ花粉は気温の上昇とともに飛び始めますので、外出をするなら午後ではなく、午前中にしたほうがよいでしょう。特に晴れて風が強い日は花粉の飛散量が多くなるので注意しましょう。
2. 花粉を部屋にもちこまない
帰宅したら髪や肌・衣服についた花粉をよく払い、うがい、手洗い、洗髪をしましょう。
掃除は花粉の飛散が少ない朝早くに行い、昼は窓の開け閉めを少なくしましょう。花粉は乾いているので濡れぞうきんやモップなどで拭き掃除をするとよいでしょう。洗濯物も出来れば室内に干し、布団はよく払ってから取り込むようにしましょう。
3. 規則正しい生活
不規則な生活は自律神経が乱れて免疫機能が正常に働かなくなり、症状が強く出やすくなると言われています。ストレスを避け、充分な睡眠をとるようにしましょう。また、お酒の飲みすぎも鼻づまりを悪化させる可能性があります。
掃除は花粉の飛散が少ない朝早くに行い、昼は窓の開け閉めを少なくしましょう。花粉は乾いているので濡れぞうきんやモップなどで拭き掃除をするとよいでしょう。洗濯物も出来れば室内に干し、布団はよく払ってから取り込むようにしましょう。
4. 衣類
花粉の付きにくい衣類、さらさらした材質のものが適しています。羊毛など毛織物の衣類は花粉が付着しやすく、花粉を室内に持ち込みやすいので注意しましょう。
5. マスクの選び方
素材
不織布とガーゼがあります。不織布はガーゼに比べて繊維が密にかつ不規則に並んでいるため、ガーゼマスクより花粉が付着しやすいという利点があります。しかし、ガーゼマスクも最近はフィルターを入れて花粉を捕らえる工夫をしているものもあるようです。
顔の形にフィットするもの
顎、鼻、頬は「すきまゾーン」といわれ、マスクを装着してもそのすきまから花粉が入ってしまいます。今は立体型やワイヤー入りのものなど様々なマスクが出ていますので、色々試してフィットするものを選びましょう。
値段は関係ない
値段が高いマスクだから花粉除去率がよく、かつ吸収しやすいことはない、というデータが出ています。鼻水がマスク裏に付着しますので、衛生面からは使い捨ての方がよいとされています。

治療

薬物療法、減感作療法、手術療法に分けられます。

  • ●薬物療法
    治療薬としては花粉が飛散する1〜2週間前から抗アレルギー剤を服用し、花粉が飛び始めたら点眼薬、点鼻薬を併用します。それでも治まらない時はステロイドを含む薬を短期間服用します。漢方薬も抗アレルギー薬で副作用が出た場合やステロイドによる治療期間を短くしたい場合に用いられます。
  • ●減感作療法
    スギ花粉症ならスギ花粉のエキスを薄めてごく少量ずつ注射していき、花粉に反応しにくい体質に変えていく治療法です。方法としては、1週間に1、2回の注射を数ヶ月間〜1年続けた後、月に1回程度の注射をしばらく続けます。現在唯一の根治療法ですが、治療には2〜3年かかるため、治療を途中で中断してしまう人も多いようです。現在、注射ではなく、口腔粘膜からスギ花粉のエキスを吸収させる「舌下減感作療法」や花粉のエキスの変わりに、花粉のたんぱく質の一部を合成した合成ペプチドを注射する「ペプチド免疫療法」などの新しい治療法が研究されています。「舌下減感作療法」は自宅で簡単に行うことが出来て通院しなくてもよい、「ペプチド免疫療法」は花粉のエキスと異なり、アナフィラキシーを起こす心配がないというメリットがあります。
  • ●手術療法
    腫れた粘膜を手術で切り取る方法があります。最近では入院せず、レーザーで焼ききる方法も行われています。ただし、焼いた粘膜はすぐには安定しないため、シーズン前に受ける必要があります。また、この方法は、根治治療ではなく効果は1〜2シーズンのため、何度も繰り返すと粘膜の機能が低下する可能性もあります。

花粉症は、花粉が本格的に飛ぶ1〜2週間前から自分に合った薬物療法を始め、身体や服に花粉を付けないようにするセルフケアを行うことで症状を和らげることができます。花粉症は長く付き合う病気なので、自分に合う方法を見つけ、上手に付き合っていくようにしましょう。

◇   ◇   ◇

<参考文献>
今日の治療方針 2005年度版 医学書院
耳鼻咽喉科Q&A 2002年度版 東京医学社

原稿・社会保険研究所©
※2006年作成
※内容は執筆当時のものであり、現在も同様のものであるとは限りません。

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