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知れば納得!医療情報

感染性膀胱炎

監修:順天堂大学名誉教授
北川 龍一

「膀胱炎」とは、膀胱の粘膜に炎症がおこる病気です。ほとんどの場合、膀胱炎は大腸菌などの腸内細菌の感染によって起こります。他に薬剤性、異物性、放射線性などの非感染性膀胱炎もあります。今回は膀胱炎の中でも頻度の高い、感染性膀胱炎について説明します。

感染性膀胱炎には、急性単純性膀胱炎と慢性複雑性膀胱炎があります。

1.急性単純性膀胱炎

病因
尿路感染症の中では約半数を占める最も頻度の高い疾患で、10〜40歳代の女性に多いといわれています。女性の場合、尿道の長さが約3〜4cm程度と短く、まっすぐなうえ、外尿道口と膣や肛門が近いという体の構造から、大腸菌をはじめとする細菌が尿道や膀胱に入りやすくなるのです。ほとんどは大腸菌の尿路逆行性感染です。

症状

  • ●頻尿
    通常、健康な人の場合、1日の排尿回数はおよそ5〜7回ですが、膀胱炎になると、昼夜を問わず頻繁にトイレに行くようになります。
  • ●排尿痛
    排尿の終了時に、尿道部にツーンとするような強い痛みを感じます。さらに、排尿後も痛みが残ることがあります。
  • ●尿意切迫感
    膀胱にある知覚神経が過敏になると、一度尿意を催すとそれをなかなか我慢できなくなります。
  • ●尿混濁
    正常な尿は、ほぼ透明です。しかし、膀胱炎をおこすと、尿の中に白血球などが出てくるため、肉眼で見てもわかるくらい尿が白っぽく濁ります。尿の中に血が混じることもありますが、尿が出終わるころの方が血の色が濃くなるのが特徴です。
    高熱や腰痛を伴う場合は、腎盂腎炎を合併している可能性がありますから、早急に診察を受けることが大切です。

診断、治療

  • ●診断
    尿検査と尿中細菌培養で診断されます。顕微鏡で一視野10件以上の白血球がみられ、尿培養でも大腸菌などの細菌が生えてくれば膀胱炎と確定診断されます。
  • ●治療
    • ☆第一に水分を多くとるようにします。水分を多くとると、尿の量が増え、頻繁に排尿するようになりますが、尿で膀胱内の細菌を洗い流すことができますので、膀胱炎が早く治ります。
    • ☆必要により抗菌薬の服用が大切です。膀胱炎は治りやすい病気で、抗菌薬を2〜3日服用するうちに、症状はほとんど消えていきます。
    • ☆刺激物(アルコールなど)を控えるほうがよいでしょう。強い刺激物は、尿の量を増やさずに、排尿回数だけを増やしますから、頻尿の頻度がさらにひどくなります。
    • ☆下腹部を冷やさないようにします。下腹部を冷やすと血行が悪くなり、膀胱炎を悪化させるおそれがあります。場合によっては、ひざ掛けなどを利用して下腹部を温めることも必要でしょう。
    急性膀胱炎は、治りやすい反面、再発しやすい特徴がありますので、治療後は再発を防ぐことが重要になります。次のようなことに注意が必要です。
    • ☆尿意を感じたら、排尿を我慢しない。
    • ☆日ごろから水分を多く摂取する。
    • ☆外陰部を清潔に保つ。

2.慢性複雑性膀胱炎

尿路に尿停滞、異物、持続的細菌源、あるいは全身的抵抗力の低下などの基礎疾患を有する慢性膀胱炎です。疾患として神経因性膀胱、膀胱憩室、膀胱結石、膀胱留置カテーテルなど異物、腸管膀胱瘻、免疫抑制薬服用などがあります。これら基礎疾患を除去しなければ感染症は治癒しないことが多いといわれています。しばしば複数菌感染がみられます。

膀胱炎は日常よくみられる病気ですが、再発をくり返す場合は、男性では前立腺肥大症・前立腺癌、女性では子宮筋腫などの婦人科系の病気や膀胱がんなどの病気が隠れていることもありますので、医師に相談してください。

◇   ◇   ◇

<参考文献>
標準泌尿器科学        医学書院
今日の治療指針        医学書院
医学大辞典          医学書院

原稿・社会保険研究所©
※2005年作成
※内容は執筆当時のものであり、現在も同様のものであるとは限りません。

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