マネーコラム

Vol.1

NISAって何ですか

2013.11.05

最近NISA(ニーサ)という言葉をよく耳にしますが、いったいNISAとは何でしょうか。

NISAとは平成26年1月より始まる少額投資非課税制度のことで、英国で導入されたISA制度を参考にして作られたところから日本版ISAと名付けられ、愛称としてNISAとなりました。

今年の夏頃から各金融機関での開設予約の取り組みも盛んになり、10月より口座開設の申込が開始されましたが、初日に358万件税務署に申請があったとのことで消費者に強い関心を持たれていると言えそうです。

それでは、まずNISAの基本的な概要を確認しておきましょう。


目的は将来への備えとなる資産づくりの促進と、家計の金融資産を経済成長のために有効活用につなげてもらうことです。

対象は20歳以上の国内居住者が口座開設できますが、住民票などいくつかの書類の提出が必要です。また口座の開設先ですが、銀行または証券会社で、一人一口座しか開設できません。


制度の主な特徴は以下の通りです。
NISA口座内の金融商品の売却益や配当金は非課税(投資した年を含めて最長5年)
NISAの主な対象商品は株式、投資信託、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)など
③1年間に100万円まで、5年間では最大500万円の購入が可能となる
④5年終了後は翌年発生する新規100万円の非課税枠へ移行して継続保有も可能(課税口座に移行する方法も可)
⑤売却はいつでも可能(売却した分の枠の再利用は不可)

注意点としては以下のとおりです。

①金融機関は1つしか選択できない。また中途での変更も不可
②現在保有している株式や投資信託をNISA口座に移行することはできない
③年間100万円の枠の中で使いきれない未利用分は翌年に繰り越しできない
NISA内で生じた損失は相殺や繰り越しができない


そこで、注意点の①と④について少し詳しく記述してみます。
金融機関は1つしか選択できないので、その選択には十分な検討が必要です。

たとえばコスト面から考えるとネット系証券会社の方が手数料は低いのですが、その分対面での相談サービスなどはないことが多いので、初めて投資をされる方はすべて自分で情報を得て商品を決定しないといけなくなりハードルが高いと感じる人もいます。
また金融機関ごとに取扱商品が異なりますので、自分で購入したい商品を取り扱っているかどうか確認することも大切です。証券会社の方が取扱商品は多くありますが、逆に多すぎて選択に困ったり、株式は難しいと感じる方にとっては銀行の方が選びやすいとも言えます。要はご自身の投資知識・経験やスタンスに合った金融機関を選択することが大切です。


次に、NISA口座内で生じた損失は、他の口座の金融商品の売却益と相殺できません。例えばA証券のNISA以外の口座においてB株式で10万円の売却損が発生した時に、C株式で5万円売却益が出ていたとします。この時は売却益5万円と売却損のうち5万円が相殺できるので、確定申告することでその年の売却益は0円(なし)で済みます。また相殺で使いきれない残りの売却損5万円は翌年から3年間繰り越して売却益と相殺することもできます。
ところがNISA口座内での損失は上記の方法が取れませんので、損失が発生したらそのままになり何の手立てもないので注意が必要になります。

上記を踏まえるとNISA口座内では損しなければよいのですが、リスクがある商品については儲かる時と損する時があり、リスクが高くなるほどその幅は大きくなるので絶対損しない商品を選ぶことは不可能と言えます。


そこで出てくる考え方が分散投資です。分散投資はいくつかの商品に分けて投資をすることでリスクも分散でき、値動きの反対に動く商品を組み合わせることで大きな損失を抑えられる効果があると言われています。
また時間分散も効果的で、その代表的なものが積立型の投資信託や株式の定期購入(るいとう)です。毎月一定額を積立購入していくので、値上り時は少なく、値下り時は多く購入でき、長期的に続けていくと取得コストが平均的に抑えられる効果が出てきます。

政府の方針は「貯蓄から投資へ」ですが、この新しい制度の内容や仕組みを理解してご自身に合った投資商品を選んでいきましょう。

日本FP協会認定CFP® 山宮達也