マネーコラム

Vol.17

退職金だけでは不安…。
老後、ほんとうに必要な額は?

2015.03.06

日本の平均寿命は、男性が80.21 年、女性は86.61 年(厚生労働省「平成25 年簡易生命表」より)と年々延びており、正に長寿国・日本と言える状況にあります。同時に、長い老後生活をどのように過ごすのか、生活費の確保をどうするのかという、「長生きのリスク」とも言える危機に、誰もがさらされることになります。

退職金制度のある会社にお勤めの人は、老後の生活は、退職金があるからなんとかなるだろうと考えがちかもしれませんが、本当にそれだけで大丈夫なのでしょうか。今回は、そんな疑問に答えるべく、退職金や老後生活に関する情報をお伝えしていきたいと思います。

<退職金はみんなどのぐらい貰えるのか>
はじめに、退職金の相場についてデータをご紹介します。
厚生労働省「平成25年就労条件総合調査」によると退職金制度を導入している企業の現状は次のとおりです。

全体でみると、25%の企業には退職金制度が導入されていないことがわかります。ご自身のお勤めの会社はいかがでしょうか?

次に退職金の相場について見てみましょう。同じく厚生労働省「平成25年就労条件総合調査」データによると、実際の退職金額は学歴や職業内容、会社の規模などによっても違いがあります。

<定年後、老後の生活は何年間?>
定年が60歳と考えると、60歳の人の平均余命は男性23.14年・女性28.47年(厚生労働省「平成25年簡易生命表」より)です。定年後の人生は案外長いですよね。
そして、受け取った退職金を単純に割り算すると、
「大卒者男性の場合:退職金2156万円÷平均余命23.14年÷12カ月≒約月額7万7600円」となります。実際には、運用をしていくことで多少増えるわけですが、それにしても、月額約7万7600円とは、少ないですよね。

<公的年金からはいくら貰える?>
次に、退職金と共に老後受け取る、国民年金や厚生年金などの公的年金の受取額がどのぐらいになるかを見てみましょう。厚生労働省「平成25年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、現在、実際に受け取っている公的年金額の平均月額は次のとおりです。

上記はあくまで平均値ですので、実際の受取額は保険料の払い込み期間や支払った金額により異なります。
例えば、夫婦が共に国民年金加入者で40年以上保険料を全額納めた場合、65歳から受け取る国民年金の月額は6万4400円×夫婦2人=12万8800円(※)となります。また、厚生年金加入者で夫が平均的収入(平均標準報酬36.0万円)で40年間就業し、妻が専業主婦である世帯の年金月額は22万6925円(※)となります。
※ 厚生労働省報道発表資料「平成26年の年金額は0.7%の引下げ」より、平成26年度の年金月額。

<老後の生活費、いくら必要?>
こまで、退職金額と公的年金額という「受け取る金額」を見てきましたが、次に老後の生活費がどのぐらいかかるのか、「出ていく金額」を見てみましょう。

財団法人生命保険文化センターが発表した「平成25年度生活保障に関する調査」によると、老後に必要とされる生活費は、一世帯(夫婦)で最低日常生活費が月額約22.0万円、ゆとりある老後を送るために必要な老後生活費は月額約35.4万円となっています。

ただし、賃貸住宅の人や、住宅ローンが老後も続く人はその分を上記に加える必要があると考えた方が良いでしょう。また、海外旅行に行きたい、子供達や孫にお祝いを買ってあげたいなど、第二の人生の夢や希望もそれぞれにあると思います。実際に皆さんの生活や家計、そして将来の夢に照らし合わせてみて、老後に必要となる月額費用を算出してみてはいかがでしょうか。

<安心な第二の人生をおくるために>
老後に受け取るお金、そして老後にかかるお金、両方を見ていただきましたが、ご自身に当てはめて、退職金や公的年金だけで足りるのか、また、いくら不足するのかを計算してみることが大切です。また、不足があるなら出来るだけ早く老後資金の積立てをスタートするなど、早めの対策が必要です。そして、実際に受け取る額や、かかる費用は人それぞれ異なりますので、保険会社の「老後の生活資金ライフプラン」シミュレーションで試算するなど、専門家に相談しアドバイスを貰って本当に必要となる金額を正しく算出し備えていく方法が、より効率的です。

この機会に専門家に相談をしてみましょう。備えあれば憂いないしという言葉のとおり、安心の第二の人生に向けて、早めの準備をおすすめします。

保険ジャーナリスト 森田直子