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マネーコラム

Vol.20

ある日突然やってくるかもしれない!?
「親の入院・介護」にどう備える?<前編>

2015.09.01

40~50代が抱えるリスクの1つに「親の入院・介護」があります。ある日突然やってくるかもしれない親の入院や介護にどう備えるか、今回と次回の2回にわたって考えてみましょう。

■親の入院にはどう備える?

前回のコラム「責任世代といわれる40~50代はどんな病気・ケガに備えるべき?」では、おもに本人の病気という視点で見てきましたが、40代~50代になると、60代~70代になる親の病気やケガも心配になってきます。当然ながら、親の年代の方が自分達よりも入院する割合は高く、何かと心配になります。

元気でいてもらうべく軽い運動などを勧めるとともに、もしものときのために、親が入っている保険があるなら家族で共有しておきましょう。確認しておきたいのは次のような点です。両親とも保険に入っている場合は2人分の保険をチェックしましょう。

□どんな保険に入っている?特に医療保障について把握しましょう

  • ・入院給付金の支払い内容や支払い条件は?
  • ・手術給付金の支払い内容や支払い条件は?
  • ・3大疾病(成人病)の保障やガン保障はついている?

□指定代理請求人は指定されているか確認しましょう

  • ・本人が請求できないときに代わりに請求する「指定代理請求人」は指定されている?

□リビングニーズ特約が付加できるなら付けましょう

  • ・死亡保障に関して、「余命6カ月」と診断されたときに死亡保険金が支払われる無料の特約なので、付けられるなら付けておく(終末期の医療保障に使えるため)

そもそも保険に入っていない場合は、医療費専用の口座を作って一定額を入れておいてもらい、もしものときにはその口座から支払うよう、家族で共有しておきましょう。

■「親の介護」は突然やってくる!

親が病気・ケガで入院しても、たいしたことなく退院できれば家族もホッと胸をなでおろすことになります。しかし、時には退院と同時に介護が始まることもあります。

表1は介護が必要になった原因を多い順に整理したものです。最も多いのは脳出血などの脳血管疾患です。続いて、「認知症」、「高齢による衰弱」、「骨折・転倒」、「関節疾患(リウマチ等)」と続きます。

この原因のうち、認知症や高齢による衰弱などでは、徐々に症状が悪化し心づもりもできると思われますが、脳血管疾患と骨折・転倒についてはある日突然やってくる可能性もあるのです。脳血管疾患と骨折・転倒を合わせると30.3%。要介護状態になった人のおよそ3人に1人が、突然入院し、退院後に介護が必要になっていることになります。
脳血管疾患に関しては50代以降急激にリスクが高まる病気でもあり、現役世代にとっても介護に直結する怖い病気といえます。

介護が必要になった原因

■親が倒れる前にやっておく6つのこと

不安なことがあったとき、放置をすればさらに不安になりますが、少しでも手を打つことでほんのちょっと心は軽くなります。気持ちの上で、この差は実は大きいのです。「親の入院・介護」に関して、事前に備えておけることは何でしょう。

個人的に提案したいのは次の6つです。別居している親を前提にしています。

□近隣の人にご挨拶

  • ・緊急のときにお世話になるかもしれないので盆暮れに手土産でご挨拶

□自分も「親孝行貯金」をしておく

  • ・親の入院や介護に伴う交通費その他の予備費。使わなかったら自分達の介護費に

□兄弟姉妹や夫婦間のコンセンサスを

  • ・協力体制を築くためにも根回しや問題の共有をしておく
  • ・配偶者の協力はどこまで得られるのかについても本音を聞いておく

□判断能力がなくなったときの財産管理はどうする?

  • ・もしものときの財産管理などを誰かに任せたいのかなど、親に確認し家族で共有する
  • ・外部の人を頼むなら任意後見契約を結ぶ

□資産リストと重要書類ファイルを整理しておいてもらう

  • ・家族に見せなくていいのでまとめておいてもらう

□救急情報メモと入院パックを用意してもらう

  • ・万一、倒れたときに救急隊員に渡す「救急情報メモ」を作成し、見えるところに貼っておく
  • ・急な入院に備えて着替えや歯ブラシ、少額のお金、保険証、お薬手帳などを詰めておく

<救急情報メモ>

  • ・名前、生年月日、血液型
  • ・緊急連絡先(名前、関係、連絡先、住所)
  • ・かかりつけ医(病名、病院、担当医、連絡先)
  • ・ケアマネ(事務所、連絡先)
  • ・服薬内容
  • ・普段飲んでいるサプリメントなど

夫婦であれば4人、シングルでも2人の親がいて、兄弟姉妹の数も減る中、「備えあっても憂いあり」が親の入院・介護。1人で背負わず、協力体制を作ることが大事ですね。

ファイナンシャルプランナー 豊田眞弓

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