マネーコラム

Vol.31

自分の年代の病気や
ケガのリスクを知っていますか?

2016.08.01

40代、50代になると、定期検診の数値が気になり始める人も多いのでは?さらに年代が上がれば、病気などの罹患率は上がっていきます。
厚生労働省「平成26年度 患者調査」のデータを見ながら、年代で罹患しやすい病気が異なることを確認してみましょう。今の医療保障が今後も頼れるものかどうか、点検してみましょう。

■20代・30代の入院受療率は低い
多くの人が、最初に生命保険に加入したのは20代か30代ではないでしょうか。
この頃は、全体的に病気等の罹患率も低く、入院して治療を受ける「入院受療率」も男性・女性とも高くはありません(参照:表1)。

ただし、妊娠・出産の合併症などもあって、20代・30代は男性よりも女性の方が入院受療率は高くなっています。ガンの発生率も30代は男性より女性の方がやや高めです。乳ガンや子宮ガンなどは30代以降増える傾向にあります。

傷病によるリスクを考える際、発生頻度とともに、発生した時に長期化しないかという視点も重要です。これを見るために作成したのが、平均在院日数です。同じ病気であっても、年代によって入院日数が異なります。20代、30代で入院が長期化しそうな病気は、統合失調症や神経系の疾患、結核、脳血管疾患などです。

入院受療率

■40代、50代は成人病の影が!
40代、50代の入院受療率(表2)を見ると、男女ともに統合失調症等が目立つものの、特に男性の方が顕著といえますが、悪性新生物(ガン)や脳血管疾患が急に伸び始めます。
ガン、心筋梗塞、脳卒中はいわゆる「三大成人病」に挙げられますが、このうち悪性新生物と脳血管疾患は40代、50代から、心疾患は60代以降に存在を主張し始めることがわかります。生活習慣病ですから、早めに備えるにこしたことはないですね。


在院日数から見たリスクはどうかというと、統合失調症や神経系の疾患(躁うつ病など)が男女ともに長いことがわかります。その一方で、40代、50代では、結核や脳血管疾患の在院日数が長くなる傾向にあります。ただし、結核については罹患率がかなり低くなっています。

40代から入院受療率が急に上がるガンについては、在院日数で見ると10数日と、さほど長くはありません。しかし、ガンについては通院による治療が進んでいることなども考慮する必要があるでしょう。また、先進医療に該当する高額な治療や国内未認可の治療法・薬剤などもあり、選択によっては高額の治療費がかかることもあります。再発による再入院の可能性もあります。入院日数の長さだけではない経済的リスクがあるのはガンの特徴です。

入院受療率

■60代以降は入院受療率も平均在院日数もさらに増加!
60代以降の入院受療率を見ると、ガンや脳血管疾患、心疾患、腎不全、肺炎、骨折、脊柱障害などがどんどん上がっていきます。この傾向は男性も女性もほぼ変わりませんが、同じ年代なら男性の方が入院受療率は高くなっています。
平均在院日数の方も、脳血管疾患や肺炎、糖尿病、骨折、脊柱障害などの平均在院日数はだんだんと長くなる傾向が見られます。

心疾患の入院受療率は長くなる傾向があるものの、在院日数の方は70代でも10日前後とさほど長くないことがわかります。筆者の父も狭心症でカテーテル術(ステント)を受けたことがありますが、入院は1週間程度でした。ただし、元々の医療費は100万円を超えます。高額療養費制度によって負担が6,7万円で済み、家族で公的医療保険制度にとても感謝したことを覚えています。

入院受療率

■医療保険の点検や病気にならない予防も大事!
以上みてきたように、高齢になると入院リスクが急速に高まっていきます。持病を持つと一般の医療保険に入りにくくなることもあり、健康で見直しができるうちに一生付き合える医療保険かどうか加入中の保険の点検をしておきたいものです。

何よりも、年齢が上がれば、終身型の医療保険に見直すことを検討しましょう。女性の方は平均寿命が男性よりも長いので、特に終身型の医療保険を意識すべきだと思います。また、治療費がかさむであろう、心疾患、脳血管疾患などを含む成人病などにも備えができているかどうかも確認してみましょう。

医療保険・特約は1入院60日、120日などと給付日数が決まっています。長い方が安心できますが、長くなるほど保険料は高くなります。保険で全て備えるには限度があるので、貯蓄(自家保険)と保険の2本立てで備えると安心です。

そもそも論になりますが、リスクマネジメントで「備える」方法としては「予防」も重要な要素となっています。病気にならないための予防も大事ですね。

ファイナンシャルプランナー 豊田眞弓