退職を迎えられたご夫婦 住宅ローンも終わり、蓄えもそこそこできた。でも、年金が心配で節約しがちな毎日に。これからの人生、ゆとりを持って過ごしたいのだが…。

相談事例

金銭面では比較的余裕のある方だと思っていますが、
給与収入がなくなったことに未だ慣れず漠然とした不安があります。
せっかくのセカンドライフ、節約もできますが、潤いのある生活が希望です。
どのくらいの生活費で暮らしていけばいいのでしょうか?

昨年、定年退職した三井家定さんは、61歳。2歳年下の奥さま、篤子さんと、今年31歳になった娘さん、茂子さんの三人家族。住宅ローンも払い終え、それなりに資産はありますので、ゆとりをもったセカンドライフを過ごしたいと思っていますが、年金収入しかないため漠然とした不安があり節約しがちです。

さて、ファイナンシャル・アドバイザーは、このご夫婦へどんなアドバイスをするのでしょうか?

プロフィール

  • 【家族構成】
    三井家定さん(61)、篤子さん(59)、娘さん=茂子さん(31)…未婚
  • 【資産】
    一戸建ての住居:時価3500万円程度
    金融資産残高:4000万円
  • 【収入】
    家定さん 厚生年金 年203万円
    篤子さん なし
    篤子さんは短大卒業後、結婚までの5年間は厚生年金に加入。結婚後、ご自分で年金保険料を支払ったのは、家定さんが退職した以降のみ
  • 【支出】
    生活費:年372万円(月31万円)

三井さんご夫妻の夢(ご希望)

ファイナンシャル・アドバイザーは、相談を依頼されると、まずはお客さまの将来の夢・ご希望を聞かせていただくところから始めます。お二人のご希望は、次のとおりでした。

【茂子さんの結婚資金援助】
2年後:200万円
【病気や介護になった場合の資金】
65歳〜終身:年50万円(安心のため)
【家定さんに万が一のことがあった場合に、残された奥さまの日常の生活費】
〜終身:年360万円(月30万円)
PMMのメリット

漠然としたイメージだけでも大丈夫。ファイナンシャル・アドバイザーが、お金に関するさまざまな知識やデータでサポートしながら具体化してまいります。

プロフィールや、夢(ご希望)を聞かせていただく際には、よりよいプラン提案につなげるために、どんなことを重視しているのか、どの部分にこだわりがあるのか、状況によってはあきらめのつくものは何か、ということなどをうかがっていきます。これはご夫妻の間で、「あなたはそんなことを考えていたのね」などと、お互いをいっそう理解するきっかけにもなります。

アドバイスにあたっては、ご夫妻そろって健康で長寿をまっとうされる場合だけでなく、どちらか一方に万が一のことがあった場合も、遺された方の生活に支障がないようなプランを考えてご提案いたします。

アドバイス上のトピック

ポイント
(1)公的年金
公的年金のうち、厚生年金(共済年金)の支給開始時期は生年月日によって異なります。
また、支給される細目も、年齢、配偶者の状況などによって変わっていきます。
(2)社会保険、所得税・住民税
退職後の健康保険や介護保険などの制度はかなり複雑です。所得によっても保険料は変わってきます(受け取る公的年金も所得です)。
(3)生活設計をする際の注意点
退職を迎えられた方は、それなりに生活設計をなされている方が多いと思いますが、物価の上昇を見込まないで試算されてはいませんか?
物価上昇を反映させると、収支は悪化することが多いので、この点も要注意です。
  • (4)家定さんに万が一のことがあった場合も、遺された篤子さんの公的年金受給額をはじめ、家計の推移がどのような状況になるのか、事前にイメージしておくことが望まれます。
PMMのメリット

公的年金制度の仕組みや予想される年金受給額の試算、健康保険制度や介護保険制度についてなど、わかりにくいことでもアドバイザーが親切に教えてくれます。
また、シミュレーションの結果が思わしくない場合には、どうしてそのような状況になっているのか、アドバイザーがご説明いたします。

ファイナンシャル・プランのご提案

まずは、三井さんご夫妻のご希望をそのまま家計の収支に反映し、将来の推移を見てみました。
下記表で確認すると、ご夫婦とも健康で長生きされた場合は家定さんが77歳時に、家定さんが今日お亡くなりになった場合には篤子さま81歳時に金融資産残高はマイナス(つまり家計破綻です)となり、その後マイナス幅はますます膨らんでしまうことがわかりました。

【現状のキャッシュフロー表】※物価上昇率を0.5%と仮定

(万円)

(西暦) 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX
家定様 (歳) 61 62 63 64 65 66 67 68 75 85 90
篤子様 (歳) 59 60 61 62 63 64 65 66 73 83 88
茂子様 (歳) 31 32 33 34 35 36 37 38 45 55 60
【収入】 給与収入 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
公的年金 0 0 0 0 203 203 298 298 298 298 298
万一の場合の保険金等 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
その他の収入 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
収入合計 0 0 0 0 203 203 298 298 298 298 298
【支出】 税・社保 0 0 0 0 20 20 28 28 28 28 28
保険料 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
生活費 372 374 376 378 379 381 383 385 399 419 430
住宅費用 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
その他の計画資金 0 0 202 0 51 51 52 52 54 56 58
支出合計 372 374 578 378 451 453 463 465 480 504 516
家計収支=貯蓄額 -372 -374 -578 -378 -248 -250 -165 -167 -182 -206 -218
年始金融資産残高 4000 3644 3285 2720 2353 2115 1874 1716 536 -1387 -2439
年末金融資産残高 3644 3285 2720 2353 2115 1874 1716 1556 356 -1593 -2656
(運用利回りの仮定) 0.4% 0.4% 0.4% 0.4% 0.4% 0.4% 0.4% 0.4% 0.4% 0.4% 0.4%
金融資産残高の推移(現状)

【現状のキャッシュフロー表:家定さんが今日、亡くなられた場合】※物価上昇率を0.5%と仮定

(万円)

(西暦) 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX
家定様 (歳) 61
篤子様 (歳) 59 60 61 62 63 64 65 70 75 80 90
茂子様 (歳) 31 32 33 34 35 36 37 42 47 52 62
【収入】 給与収入 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
公的年金 116 116 116 116 116 116 136 136 136 136 136
万一の場合の保険金等 2500 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
その他の収入 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
収入合計 2616 116 116 116 116 116 136 136 136 136 136
【支出】 税・社保 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
保険料 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
生活費 360 362 364 365 367 369 371 380 390 400 420
住宅費用 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
その他の計画資金 0 0 202 0 51 51 52 53 54 56 58
支出合計 360 362 566 365 418 420 422 433 444 455 479
家計収支=貯蓄額 2256 -245 -449 -249 -302 -304 -287 -297 -308 -319 -343
年始金融資産残高 4000 6272 6052 5627 5401 5121 4837 3469 2018 483 -2813
年末金融資産残高 6272 6052 5627 5401 5121 4837 4570 3185 1718 165 -3156
(運用利回りの仮定) 0.4% 0.4% 0.4% 0.4% 0.4% 0.4% 0.4% 0.4% 0.4% 0.4% 0.4%
金融資産残高の推移:夫死亡時(現状)

ファイナンシャル・アドバイザーは、以下の対策をとることで、どちらの場合でも、90歳時点まで金融資産が枯渇することのないプランを作成し、ご提案しました。

<主な対策>

  • 生活費を年60万円節約して、貯蓄にあてる。
  • 金融資産は、リスクを抑えた長期分散投資にあてる。
  • 家定さんが亡くなられた場合、以降のご家族の生活費を減額。 年360万円→312万円。

【対策後のキャッシュフロー表】※物価上昇率を0.5%と仮定

(万円)

(西暦) 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX
家定様 (歳) 61 62 63 64 65 66 67 68 75 85 90
篤子様 (歳) 59 60 61 62 63 64 65 66 73 83 88
茂子様 (歳) 31 32 33 34 35 36 37 38 45 55 60
【収入】 給与収入 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
公的年金 0 0 0 0 203 203 298 298 298 298 298
万一の場合の保険金等 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
その他の収入 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
収入合計 0 0 0 0 203 203 298 298 298 298 298
【支出】 税・社保 0 0 0 0 20 20 28 28 28 28 28
保険料 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
生活費 312 314 315 317 318 320 321 323 335 352 361
住宅費用 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
その他の計画資金 0 0 202 0 51 51 52 52 54 56 58
支出合計 312 314 517 317 390 391 401 403 416 436 446
家計収支=貯蓄額 -312 -314 -517 -317 -187 -188 -103 -105 -118 -138 -148
年始金融資産残高 4000 3762 3519 3067 2807 2673 2534 2479 2003 1031 394
年末金融資産残高 3762 3519 3067 2807 2673 2534 2479 2420 1923 912 253
(運用利回りの仮定) 1.9% 1.9% 1.9% 1.9% 1.9% 1.9% 1.9% 1.9% 1.9% 1.9% 1.9%
金融資産残高の推移

【対策後のキャッシュフロー表:家定さんが今日、亡くなられた場合】※物価上昇率を0.5%と仮定

(万円)

(西暦) 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX 20XX
家定様 (歳) 61
篤子様 (歳) 59 60 61 62 63 64 65 70 75 80 90
茂子様 (歳) 31 32 33 34 35 36 37 42 47 52 62
【収入】 給与収入 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
公的年金 116 116 116 116 116 116 136 136 136 136 136
万一の場合の保険金等 2500 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
その他の収入 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
収入合計 2616 116 116 116 116 116 136 136 136 136 136
【支出】 税・社保 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
保険料 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
生活費 312 314 315 317 318 320 321 330 338 346 364
住宅費用 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
その他の計画資金 0 0 202 0 51 51 52 53 54 56 58
支出合計 312 314 517 317 369 371 373 382 392 402 423
家計収支=貯蓄額 2304 -197 -401 -200 -253 -255 -237 -247 -256 -266 -287
年始金融資産残高 4000 6379 6300 6017 5929 5786 5639 4933 4110 3157 804
年末金融資産残高 6379 6300 6017 5929 5786 5639 5507 4779 3930 2950 532
(運用利回りの仮定) 1.9% 1.9% 1.9% 1.9% 1.9% 1.9% 1.9% 1.9% 1.9% 1.9% 1.9%
金融資産残高の推移:夫死亡時(対策後)

対策実施後のキャッシュフロー表は、それぞれの対策の効果は小さくても、その積み重ねが劇的な変化をもたらします。もちろん、この表は物価の上昇や給与の将来推移など、いくつかの仮定を前提にしており、実際にこの通り推移するわけではありません。
それでも、将来の生活が具体的な数字で表されると、不透明であった将来のイメージがぐっと頭の中に沸いてきませんか?
このイメージを掴むということが、次の行動を起こすためにも大切なのです。
この表をひとつの基準とし、その後の状況がこれよりも悪化するようであれば、早めに追加の対策を行うことで、将来、最悪の状況に陥ることを避けることができるのです。また、状況が大きく乖離した場合や目標を大きく変更した場合には、あらためて作り直したいものです。

PMMのメリット

提案は、ここで見たようなさまざまな選択肢と水準を適切に組み合わせて作成します。プランの作成はアドバイザーにとっては芸術ともいえる作業なのですが、アドバイザー自身の判断で作り上げるものではありません。ファイナンシャル・アドバイザーとお客さまとの対話をもとに、お客さまの判断や価値観にフィットするよう作り上げます。