トップメッセージ

生命保険業界の将来については、さまざまな展望があります。例えば少子高齢化による人口の減少は、市場環境に大きな変化をもたらすことになるでしょう。ただ視点を変えれば、人口構成が変化し高齢者が増えてゆくなか、個人年金、介護、高齢者への医療保障などは、これからの市場として拡大の余地が十分にあります。また、少子化が進むことで、昔のように「自分に何かあったとき、子供に生命保険で財産を残したい」という人は減り、「家族に迷惑をかけないために保障がほしい」という人が増えてきます。こうした価値観の多様性に伴い、徐々に新しい保障へのニーズが生まれ、生命保険会社の役割も少しずつ変化していくことになります。縮小する市場もあれば成長する市場もあるわけで、その変化にどのように対応し、新たな保障の形を市場に投入していけるかが問われてくるのです。

その一方でインターネット、銀行窓口代理店など、生命保険の販売チャネルは多様化が進んでおり、この流れはしばらく続くでしょう。ただ生命保険商品の特性上、潜在的ニーズや本当に必要なものをしっかりとご理解いただくことは、簡単なことではありません。したがって、当社がメインに据える対面営業チャネルは、これからの市場でも重要なポジションを占め続けることになると思っています。
三井生命には多様な職種があり、いろいろなことにチャレンジできるチャンスが広がっています。そのなかにあって特に大きなウェイトを占めるのが営業であり、お客さまと接する営業職員が働く現場をマネジメントするのが、重要な仕事のひとつです。生命保険は契約の期間が非常に長く、お客さまには20年、30年と継続していただくわけですから、万一のことが起きて保険金をお支払いしたときに、「三井生命に入っていてよかった」「あなたに勧めてもらったおかげで助かった」とお客さまから直接感謝していただける、これこそが生命保険の仕事の醍醐味です。そういう意味で、お客さまとの接点である営業という仕事に多くの人が興味を持ち、「やってみたい」と思ってもらえるとうれしいですね。私自身はアクチュアリー職に就いていた期間が長かったのですが、初めて現場を見たときには、「全国の何千人という営業職員が、こうして毎日営業活動を行い、その結果として毎月の数字ができ上がっているのだ」ということを実感しました。当時の私にとっては全くの別世界で、それなりに苦労もありましたが、支社での職場経験の全てが成長の糧になったと感じています。
生命保険は商品面で差別化しづらく、一社だけが全く新しいものを発明し独占的にやっていくことが難しい業界です。その分お客さまに対していかにお役に立てるか、喜んでいただけるかをつねに考え続け、それを行動指針として企業価値を高めることが大切です。また90年に及ぶ歴史のなかで信頼を築き上げてきた三井生命には、「父の代から三井生命です」と言ってくださるような、深い絆を感じてくださるお客さまが多くおられます。過去からの財産をアドバンテージとしながら、そこに新たな価値を加えることで他社と差別化できるという強みをいかしていきたいと思います。

「いつの時代もお客さまのためにあれ」という初代社長団琢磨の言葉は、こうした当社の強みが形成されていく上でも、非常に重みがあると私は思います。
生命保険を取り巻く環境がこれまで以上のスピードで変わりゆくなか、変化に対応していくにはそれなりのパワーやリソースが必要となります。日本生命との経営統合で、当社は新たなステージへと進んだわけですが、当社と日本生命はそれぞれ営業職員チャネルを基軸に発展してきた会社です。営業職員をメインチャネルとしてそれぞれの強みを伸ばすことに加え、それ以外の領域でも相互に協力し、将来の環境変化に対応していくことが今回の経営統合に関する重要なコンセプトです。

金融業界というと、変化より安定を好む人が多いと見られてきたかも知れません。だからこそ当社は変化に対して貪欲で、自ら変化を作り出せる人を求めています。従業員には、変化を抑制したり回避したりするのではなく、自ら変化を受け入れ、自分たちのアドバンテージにしていこう、というメッセージを発信し続けています。学生の皆さんにも、伝統を大切にしながらも自分たちが新しい変化をもたらすぞ、という想いを持って当社を志望してほしいですし、その想いを持った方を、新たな道を進んでいく仲間として迎えたいと思っています。